ギドン・クレーメルコンサート

 2月14日ラトビア大使館様のお招きにより、世界的な演奏家クレーメル氏のコンサートへ行ってまいりました。バルト3国が帝政ロシアより独立して100周年にあたる2018年の記念イベントとして、このコンサートは企画されました。というのも、帝政ロシアに占領されていたバルト三国にとって音楽は、国民のアイデンティティを守る為の大事なツールであると同時に、独立に向け人々の心を一つにする重要な役割を担っており、三国が共催するこのコンサートは独立100周年にふさわしいイベントでした。

コンサートには、皇太子ご夫妻もご臨席され、共同通信社からも記事が配信されておりました。 

https://this.kiji.is/336478777629033569?c=39546741839462401


 厳かなベートーベン弦楽四重奏と、バレンタインらしく華やかなモーツァルトの3曲が演奏され、遊び心のあるバルティーカ楽団の奏でる音や、人柄を表すようなドゥバルク氏のまろやかなピアノの音や、なによりも楽曲のすべてを知り尽くしたような、ここしかないというギリギリを見極めたクレーメル氏のバイオリンの音を存分に堪能しました。

 クレーメル氏の奏でるバイオリンは、心地よく、とても魅力的な音でしたが、言葉であの素晴らしさを表現できないことが非常にもどかしい限りです。生の音に魅了された夢のような一夜でした。音楽を持ち歩きできる世の中になって久しく、現在、音楽は気軽に楽しめるコンテンツですが、耳だけで聴く音と、身体全体で感じる音がこれほどまでに違うのかと驚きの体験でした。敷居が高いと思われがちなクラシックのコンサートですが、足を運んでみると、新たな発見ができるかもしれません。

 世界各地を見回しても、隣り合う国同士は何かと争い合う傾向が見受けられる中、各国の特色を尊重しつつ、共存していくバルト3国に誇りと品格を感じました。それはコンサート後の立食パーティで出されたショコラにも表れており、どのショコラもそれぞれ違う味わいで、共通しているのは「とても美味しい」という感想だけでした。